会派みらいの○○○でございます。
私は、社会委員会委員長報告にあった国保関係議案原案に賛成、共産党牧内議員から出された修正案に反対する立場から討論いたします。
まず、牧内議員の提案する修正案は国保税率を出来る限り据え置き、お年寄りや収入の少ない人に負担をかけない、安心して明るく生活していけるようにすべきだとするものです。
そしてそのための財源は、市が想定している医療費の伸び率を19年度決算対比8%相当から5%程度に見込む、とすることで今年は乗り切れるのではないかというものですが、そこにこそ問題があることを指摘させていただきます。
まずいくつかの前提からお話し申し上げます。
国民健康保険制度は、昭和13年に制度が発足して以来、国民皆保険制度の中核、特に農家や商店等の医療保険として我が国の医療保険制度の基盤的な役割を担い、地域住民の医療の確保や健康の保持・増進に大きく貢献してきたと考えます。
飯田市においては全市民の3割弱、私や私の家族も含めて約28000人が国民健康保険に加入しています。その意味では私も当事者なのでありますが、
しかしながら、今日までの医療制度改革や、派遣労働者・外国人・団塊の世代に象徴されるように退職者の増加などの構造的な変化により、国保財政基盤は極めて脆弱となっており、また、高齢化や医療技術の高度化による医療費の増嵩は、国民健康保険の財政運営を非常に厳しいものとしている訳であります。
このような状況を打開するためには、国において社会保障制度を含む医療制度の抜本改革がなされない限り、毎年この国保税議会と言われる6月定例会はどうするこうするの議論が絶えない訳なのであります。
しかしながら、市民の健康を守り、医療を受ける権利を確保していくためには、現在の国保事業の健全かつ安定的運営を何としても守っていかなければなりません。
そこで、冒頭修正案によれば、保険給付費の削減により市長提案と比較して、歳入歳出とも約3億2,900万円の減をするとされておりまが、この根拠において提案では前年度比の医療費の伸び率が挙げられています。
原案では8%を見込んでいますが、それを5%とするもので、確かに数字上は計算が成り立つと思います。
しかしながら、この保険給付費の見込みについてですが、国保会計は年間を通じて安定的に給付ができる予算でなければなりません。特に、本年度から保険者に義務化された特定健診・特定保健指導は、中長期的な医療費削減対策であるとはいうものの、一時的に医療費が増大する可能性も視野にいれなければならず、修正案では歳出予算が不足し給付ができない状況になるということも想定されます。国保会計の性格上、医療費の増や特殊事情を見込み確実に給付ができる予算を作成することは当然であり、原案の保険給付費の見込み8%は適正なものと考えます。
つぎに、国保税の減額修正ですが、原案では前年度からの繰越金4億円余を計上して歳入を組み立てています。これは医療費の伸び率を19年度に医療において異常事態が生じなかった為生じた繰越金ですが、修正案でいきますと、これらをすべて繰り入れて組まれており、まったく裸、余裕のない状況が創出され歳入歳出ともギリギリの予算となることが想定されます。
場合によっては赤字となる可能性もあると思われます。
また、本年度の税率を据え置くことで、来年度以降に負担が生じ大幅な税率改定が必要となるような状況では、安定的な財政運営ができるとは思えません。社会保障の要である国保への信頼を守り、市民の安心、安全を守る立場としては到底考えられないものであります。
続きまして、繰入金の関係ですが、繰入金とは一般会計からの繰入金であり、税の公平性からの観点からいえば受益者負担が原則でありますから、国保会計に一般会計からの繰り入れは基本的には在ってはいけないことの筈です。
原案では、今回の医療制度改正に伴い被保険者が大幅に減少するということを踏まえ、特例的に一般会計の繰り入れを行い、また、国保会計の基金につきましても、大幅な税率改定を抑えるために多額の繰り入れを行うという、苦渋の選択をしたということでございます。
牧内議員の修正案ではその他繰入金は修正せず、基金繰入金のみを減額するものとなっています。国保税率を据え置くにも関わらず、その他一般会計からの繰入金をそのままにするということは考えられません。
修正案は、こうした国民健康保険財政を守るための基本的な見地に立っていないものであり、到底賛成できるものではありません。
最後に、共産党牧内議員の主張されるお年寄りや経済的な弱者に対する擁護の点については十分に理解できます。この点については我が国の社会保障制度をどうするのかの議論を高めるとともに、当面する私たちの地域を守るために適材適所の手を講じていく必要があると考えますが、原則論は堅持していかなくてはならないとも考えます。
以上のことから、原案に賛成し修正案に反対するものでございます。